何となく目に付いた昔っぽい本。
タイトルに惹かれた。『お神酒徳利 深川駕籠』
パラパラと捲ってみると、江戸の町が舞台の本だった。
読んでみるとちょっと硬そうな雰囲気。
所々でてくる訛りが楽しそうな雰囲気。直感で借りてみた。
借日:2022/07/29fri
書名:お神酒徳利 深川駕籠
著者:山本 一力
出版:祥伝社
ISBN:4-396-63250-9
紅蓮退治
紺がすり
お神酒徳利
江戸・深川で駕籠舁きを商いを糧に苦楽を共にしている主人公の新太郎と尚平。
元火しの新太郎と元相撲取の尚平は息の合った駕籠舁きコンビを見せている。
身重の女性が息絶え絶えで道に倒れている。放っておけない江戸庶民。
新太郎と尚平がお産婆さんがいる場所まで駕籠舁きで身重の女性を乗せ
無事赤ちゃんが生まれる。そんな折り半鐘の鐘が鳴り響き、、、
江戸の町で繰り広げられる事件を息のあったコンビで解決?解消?していく話。
下町で繰り広げられる義理人情。筋の通った武家人や商家さんもいて
自分が江戸時代、その場所にいるかのような感覚で読んでました。
日本橋、万年橋、万橋、浅草寺など聞き慣れた場所や地名が出て来たことも相まって
その場所にいるかのような感覚になったのでしょう。
芳三郎親分との関わり。お互い好いていながら一緒にならない「尚平とおゆき」
かどかわしに合っても凛とした態度を貫く様は見ていて気持ち良かった。
読んでいるのに、そこにいるかのような錯覚を起こし
その場面を実際に目の前で見ている感覚で読んでいました。
「尚平とおゆき」は、その後どうなったのか。読者の想像・創造を
掻き立てるため余韻を残す結びにしたのでしょうか。
結びは、ハッピーエンドかと思いきや、
(えっつ?これで終わり?)消化不良となってしまった一冊でした。
それでも、息の合った「新太郎と尚平」の何気ない暮らしぶりや
爽快な江戸時代を思わせる世相に、クスッと笑ったり、
吃驚したり、小説の世界観に惹き込まれた一冊となりました。